エトリアのコーヒー
アフリカで一番新しい国エリトリアの首都アスマラは、標高2300メートルの地にある。朝夕の気温差は当然であり、夏でも夜は寒い。高地は雲海の上にあり、日光いろは坂の何倍もの坂道を下って、グリミンベルトの茶店に行くとコーヒーがとてもおいしい。
また、イタリアの植民地であった名残で街並みは実に美しい。イタリア時代に造られたヨーロッパ風の街並みやイタリア語の店名などが多く残っている。
人々は知的で親切で明るく、みな包み込むような笑顔で迎えてくれる。一度訪れると日本に帰りたくなくなるほど住み心地の良い国だ、と友人が言っていた。
コーヒーの産地でもあるエリトリアのコーヒー豆が今、私の手元にある。エリトリアのコーヒーは、独特のコクと香りで何ともいえないエキゾチックで深い味わいがある。
毎朝オフィスでコーヒーを淹れることで目覚めるような生活を送っている私にとっては、この上ない至福の時を過ごさせていただいている。
昔どこかで聞いたことがある。コーヒ−は不思議な飲み物だと。淹れた人の心がこもるから、同じ豆でもその都度昧が変わるのだという。私が淹れたコーヒーはどんな味に感じていただけているのだろうか。そういえば、日によって、少しほろ苦かったりするから不思議だ。
訪ねて来てくれた人に、おいしいコーヒーを飲んでもらうため、豆を挽くというのは案外楽しいものだ。どんどん便利になっていく今の社会だが、無駄と思われるようなプロセスでも楽しむことができたら、ちょっぴり豊かな人生に繋がっていくのではないだろうか。
日々忙しく動いている毎日だが、ほんの少しでもゆっくりとした静かな時間を持つことは大切な事のようだ。
私の小さなオフィスにはいつでも夢を持った人たちがやってくる。
皆さんもぜひ、私のオフィスにお越しください、エリトリアのコーヒー豆があるうちに。
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