こども元気フェスティバル
3歳くらいの男の子が一生懸命、絵を描いていた。青色のクレヨンで大きな丸を描いて、その周りに青い線を放射線状に描きなぐっている。力をこめて無心に叩くように描いていた。どうしたのか、怒っているのか、何を描いているのか分からなかった。子供だから無意識に描いているだけなのかと思っていた。
一昨年8月、小千谷で開いた「こどもフェスティバル」の出来事だ。1時間ぐらいしてから、もう一度彼のところに行って「何を書いてるの?」と聞いてみた。「僕ね、宇宙を描いたんだよ。大きい丸、これが銀河系。小さい丸は地球だよ赤いのは太陽。こっちは宇宙船」。私はとても驚いた。
この子は将来、宇宙科学者になるのではないかと思ったくらいである。こんなに小さくて幼い子供がしっかりとした考えのもと、大きさも対比的に描いていたのだ。お母さんに聞いてみると、彼は今、宇宙に一番興味を持っているのだそうだ。
それから1年後のフェスティバルにも彼はやって来てくれた。身長も伸びて少し大人になった彼は、また絵を描いた。
今度は大きく月と地球が描かれ、月にはクレーターがはっきり配置されている。しかも少し黒く塗りつぶした部分は、地球の影だと言った。地球は月の手前に大きく青く描かれている。宇宙の摂理を見事に描いていた。もしかしたら、将来、この地域から若田光一さんのような宇宙飛行士が誕生するかもしれない。
「こども元気フェスティバル」は、子供の未知なる可能性を探り引き出すことで、いきいきと育っていってほしいと願っている。また、子育て中の保護者の方に一日楽しい時間を過ごしていただくことで、のびのびとした子育てをしていくきっかけになってほしいの願いもある。中越大震災の後、NPO法人おぢや元気プロジェクト主催で毎年開催している「こども元気フェスティバル」も5年目を迎える。今年も8月29日(土)午前9時30分から午後2時まで小千谷市上ノ山の楽集館で開催する。また、毎年5月には魚沼市でも開いている。参加費はすべて無料、お昼にはおいしいカレーライスもある。『世界に一冊だけの絵本』作りや竹馬、けん玉、竹とんぼ、うちわ作りなど昔懐かしい遊びも満載です。ぜひ皆さんもお越しください。
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