人間力
先日、すごい生き方をしている方に出会った。京都府在住、中岡亜希さん(32)である。彼女は希少難病(100万人に2〜3人の確率で発病するといわれる、進行性の難病)「遠位型ミオバチー」を抱えている。遠位型ミオバチーは体内の筋肉に空砲ができ徐々に萎縮してい、進行するとやがて寝たきりになってしまう病気だ。
中岡さんが発病したのは25歳の時。発病するまでは健康そのもので、大手航空会社の客室乗務員として、はつらつと海外へ飛び回っていた。しかし、ある日突然、軽い物が持ちづらくなり、現在は車いすに一人で移ることもできないほど急速に進行している。
世界には多種多様の病気があるが、深刻な症状を発症していながらも認証されていない病気は法的な補助を受けることができていないのが現実だ。中岡さんは、そういった人たちが安心して治療を受け、希望を持って暮らしていけるよう、署名活動や行政への働きかけをしている。今年に入ってからは「NPO法人SORD」を設立し、全国での講演会の講師として活躍され、またフリースクールで小中学生に宿題を教えるなど、積極的に交流を図る活動もしている。
自分のためだけに生きるのではなく、同じような境遇の人たちのために今を精いっぱい生きている彼女からは、力強い「人間力」を感じた。彼女は、既に人間の能力の域を超えている。素晴らしい「人間力」だ。人間はまだまだ捨てたもんじゃない、と思わせてくれた中岡さんとの出会いに感謝したい。
生まれた時から人に与えられた時間には限りがある。いつか、今度、そのうちと考えて待っていても向こうからは何もやってこないだろう。夢や目標があったら勇気を出して一歩を踏み出してみよう。行動が変わると結果も変わるという。その初めの一歩があなたの新たな「人間力」を引き出すきっかけになるかもしれない。
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